恩田川(中山〜十日市場、2004/06/19)

この日も通院の帰りに恩田川沿いに中山から十日市場まで歩きましたので、そのときの様子を報告します。

この日は前回歩いた時に見つけたタニシとホウネンエビの情報をもっと手に入れることに主眼を置いて歩きました。

マルタニシ(タニシ科 シナタニシ属 学名:Cipangopaludina chinensis malleata)

前回見つけた田んぼの脇の用水路にもたくさん棲んでいることを発見しました。

よく見ると殻に筋状に細かい刺のようなものが並んでいる個体と、殻の表面にはなにもなく、滑らかな個体の2種類が棲んでいるのを発見しました。

最初別種かと思っていろいろ調べて見たところどちらもマルタニシのようで、おなじマルタニシでも殻に筋状に細かい刺のようなものが並んでいる個体とそうでない個体があるようです。
例えば、TBSのサイトに載っているマルタニシの写真を見ると殻に筋状に細かい刺のようなものが並んでいますが、こちらのサイトの写真ではそのようなものは見られません。

日本産淡水貝類の図鑑によると殻の表面に連なったくぼみの有る個体とない個体があるとのことだったので、その個体差と思われます。1つの場所でまるで別種であるかのように一緒に暮らしているのはとても興味深く思いました。


写真上側の刺のような突起の列のない個体

写真下側の刺のような突起の列の有る個体



♂と思われる個体。
普段はこうしておなかを上にして泳いでいます。

ホウネンエビ(ホウネンエビ科 学名:Branchinella kugenumaensis)

念願のホウネンエビをばっちり撮影することができました。もうこの日はこれだけで十分満足です。

なぜかはよくわかりませんが、普通のエビ、カニとはちょっと系統の違うホウネンネビやカブトエビ、カイエビなどの甲殻類にとても魅かれます。

ホウネンエビの姿を例えるならば、NHKスペシャルの「生命・40億年はるかな旅」で有名になったカンブリア紀に出現した当時最大の肉食生物であったといわれるアノマロカリスが背泳ぎをしている姿に似ていると私は思います。

この子たちは水のない時期を休眠卵という形態で何年も水が来るのを待つことができますが、土盛りをして宅地や畑になってしまってはそれは望めないので、遺伝子をつないでゆくにはやはり田んぼのような環境が必要なのです。


横から満た姿

卵を抱えた♀の個体


川沿いに広がる田んぼの風景

田んぼは食物の生産だけでなく、生きものたちのにぎわい、治水に役立っているけれども、維持する農家の人たちには後継者難やそれだけでは食べてゆけないなど、負担となっています。
農地が消えて行くことを嘆き、行政を糾弾することは簡単だけれども、これは農家、農政だけの問題だけではなく、間接ながらもその恩恵を受けている私たち都市市民自身の問題でも有り、一緒に考えて行かなければならないことなのです。



梅田川合流点



オイカワが繁殖シーズンを迎えていました。


アオサギ(サギ科 アオサギ属 学名:Ardea cinerea)

エサを狙っています。うまく食事にありつけたかな?



コナギやオモダカの仲間の芽生え

両者とも芽生えの時の葉の形はよく似ているので、この時点ではどちらなのか判別がつきません。

私は水田雑草と呼ばれるこれらの植物にもとても魅かれます。
コナギといい、オモダカといい、園芸種にしてもいいくらい花はとてもきれいです。



シジミガイの仲間

恩田川沿いの田んぼ脇の用水路で見つけたシジミガイの仲間。

日本在来のマシジミか、中国、台湾あたりから国産の不足分を補うために移入されたものが逃げ出した(or 人為的に放流された)タイワンシジミと呼ばれるシジミガイの仲間と思われますが、シジミガイの仲間は雄性発生と呼ばれる特別な仕組みで単為生殖を行っているため、遺伝子レベルで検査しても種としての特定が難しく、専門家の間でもいろいろ議論が紛糾しているようです。

ちなみにマシジミ自体は河川環境の変化やタイワンシジミの進入により絶滅の危機にあるようですが、前述のような問題が有り、種としての扱いが不確定なため、レッドデータリストには掲載されていません。

参考サイト:
「 マシジミの雄性発生ってなあに」
http://www.brh.co.jp/s_library/j_site/scientist/komaru_a/

「◇高校生初、日本貝類学会で発表◇
 「タイワンシジミ」繁殖増す/マシジミ、ほぼ絶滅−−相模川・金目川全流域」
http://www1.odn.ne.jp/kai/news.html



カワニナ(カワニナ科 学名:Semisulcospira libertina libertina)

シジミガイの仲間を見つけた用水路で見つけました。



カルガモ親子

いつ見てもこの姿には癒されますね。

写真には写っていませんが、近くにはもう5羽ほどヒナたちがいました。



【最後にお願い】

田んぼは農家の方達が生活の糧を得るための大切な場所です。むやみに立ち入らないようにしてください。特に畔(あぜ)を壊されると稲の生育を左右する水の管理に支障を来しますので、とても嫌がられます。
今回私が撮った写真も、道路脇から畔にダメージを与えない範囲で撮影しています。
また、農家の方が作業中であれば一声かけて許可を得てから観察・撮影してください。


以上


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